北極海の海氷を観測するための超小型衛星「WNISAT-1R」
北極海の海氷を観測するための超小型衛星「WNISAT-1R」
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 ウェザーニューズは2015年9月15日、北極海の海氷を観測するための自前の超小型衛星「WNISAT-1R」を報道陣に公開した。同社は、2013年11月に超小型衛星「同1」を同じ目的で打ち上げているが、撮影機能の故障によってミッション遂行を断念している。同1Rはそのリベンジのために新たに作り上げた超小型衛星。2016年3~4月にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地からロシアのロケット「ソユーズ」によって打ち上げる予定という。同1Rの開発には、同1のときと同様、アクセルスペースが当たった。

 2013年打ち上げのWNISAT-1において、撮影機能が故障したのは「カメラ、ミッションコントローラー、データ格納用のメモリー、それらの間の連携部分で不具合が生じたため」というのが両社の推測だ。このため、新開発の同1Rでは、カメラの数を従来の2つから6つに増やすとともに、データの取り出し経路も増やして冗長化した。

 また、開発期間を短縮するために、アクセルスペースが保有する超小型衛星用の標準バスを流用した。これは、内閣府最先端研究開発支援プログラム「日本発『ほどよし信頼性工学』を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築」(ほどよしプログラム)の一環として東京大学とアクセルスペースが共同で開発した超小型の地球観測衛星「ほどよし1号機」で用いたもの。このため、同1Rは縦、横、奥行きの寸法が同1の2倍強と大きくなっているという。「ここまでの大きさは必要なかったが、WNISAT-1の大きさでは冗長性を持たせるのが難しかった」(ウェザーニューズ)としている。