図1 Sony Europe社社長の玉川勝氏。
図1 Sony Europe社社長の玉川勝氏。
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 2012年当時、Sony Europe社(ソニーの欧州の販売会社)は壊滅状態だった。赤字に陥り、テレビの市場シェアはわずか4%。会社はガタガタだった。それをわずか3年で立て直して黒字化させ、テレビのシェアを12%まで、つまり3倍に伸ばしたのが、2012年にSony Europe社に赴任した海外営業出身の玉川勝氏だ(図1)。タイ、パナマの現地法人勤務、中東地域の統括会社のマネージング・ディレクター、Sony India社の社長を経て、Sony Europe社の社長に就任した男だ。つまり、営業のプロフェッショナルである。

 欧州市場でのテレビの伸びが、いかに画期的か。ちょうどこの期間は、欧州全体のテレビ市場がサッカーのワールドカップ需要で少しは持ち直したものの、全体基調としては停滞していた時期だった(図2)。市場全体が伸びない中で、ソニーは躍進した(図3)。なぜか。要因は2つある。1つが、玉川氏の営業改革だ。Sony Europe社では初めてのプランを、矢継ぎ早に実行したのである。

図2 欧州テレビ市場の推移(赤)。一時は良かったが、現在は停滞している。
図2 欧州テレビ市場の推移(赤)。一時は良かったが、現在は停滞している。
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図3 停滞基調の中で、ソニーのテレビ販売は伸びている(赤)。
図3 停滞基調の中で、ソニーのテレビ販売は伸びている(赤)。
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