調査対象発電設備の工事負担金の中央値など
調査対象発電設備の工事負担金の中央値など
(出所:総務省)
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 総務省は9月8日、固定価格買取制度(FIT)の運営に関する実態調査とそれに基づく勧告を公表した(関連記事)。その中で、系統接続に際し、電力会社が発電事業者に請求する「工事負担金」の状況などを調査し、その結果を公表した。それによると約3割の事業者が「高い」と感じ、その額の中央値は8900円/kWだった。

 同省では、調査対象の4021 設備のうち、工事費負担金を支払ったか、調整中とした2620 設備について、負担金の額をどのように受け止めたか、発電事業者に聞いた。その結果、「妥当な額であると感じた」が1714 設備(65.4%)、「高いと感じた」が771 設備(29.4%)、「安いと感じた」が106 設備(4.0%)、無回答が29 設備(1.1%)だった。

 また、運転開始を断念した450 設備について、その主な理由を発電事業者に聞いた。その結果、「必要な土地を調達できなかったため」が延べ153設備(33.9%)、「事業費の調達が困難になったため」が延べ44設備(9.8%)、「工事費負担金が高いことが主な理由で、事業の採算が合わなくなったため」が延べ27 設備(6.0%)、「その他(事業方針の変更など)」が延べ227設備(50.3%)となっている。

 「工事費負担金が高いと感じた」または「工事費負担金が高いことが主な理由で運転開始を断念した」と回答のあった798 設備の中から任意に361設備を抽出し、運転を開始していない、または工事費負担金額が確認できなかった133 設備を除いた228 設備について工事費負担金の額を調べた。その結果、中央値は、(1)出力10kW 以上50kW 未満の設備で1.05 万円/kW、(2)50kW以上500kW 未満の設備で0.25 万円/kW、(3)500kW 以上1000kW 未満の設備で0.30 万円/kW、(4)1000kW 以上で0.44 万円/kW 、全体では0.89 万円/kW だった。