かつてIC設計は、基本的に半導体メーカーが担っていた。しかし現在は、4タイプの担い手がいる。こう語るのは、英Imagination Technologies社のTony King-Smith氏(EVP Marketing)である。
「Imagination Summit 2015 Tokyo」(2015年9月7日に東京で開催)のために来日したKing-Smith氏に話を聞いた。同氏によれば、4タイプとは以下の通り(図1)。タイプ1は大量生産するSoCを持つ半導体メーカー。米Intel社や米Qualcomm社、台湾MediaTek社などをタイプ1の具体例として同氏は挙げた。タイプ2は、自動車/ヘルスケア/産業/企業など、特定市場に向けた半導体製品を提供する半導体メーカー(同氏は言わなかったが、タイプ1以外の半導体メーカー)。
タイプ3は、社内に半導体開発組織をかかえる垂直統合型の機器メーカーである。タイプ3の具体例として同氏は、米Apple社や韓国Samsung Electronics社を挙げた。そしてタイプ4。このタイプも機器メーカーだが、パートナーエコシステムで事業を回す。例えば、自社では設計・製造せず、そこはアウトソーシングする。
同氏によれば、Imaginationはこれら4タイプに対して、2つの戦略を取る。1つはタイプ1とタイプ3向けの戦略。もう1つは、タイプ2とタイプ4向けの戦略である。タイプ1とタイプ3の半導体設計の担い手に対しては、従来型の戦略、すなわち、「IPコアベンダーは強いIPコアを提供する」(同氏)ことを念頭に置く。