燃費の改善や環境規制への対応などを背景に、自動車のパワートレーンが多様化している。現在はエンジン車が主流だが、今後は電動車両の存在感も高まっていく。

 次世代パワートレーンをめぐる動向や電動化への対応などについて、世界最大の自動車部品メーカー(メガサプライヤー)であるドイツBosch社で、自動車関連事業を統括するRolf Bulander氏(Member of the board of management, Chairman of the Bosch Business Sector Mobility Solutions)に聞いた。

Bosch社で自動車関連事業を統括するRolf Bulander氏
Bosch社で自動車関連事業を統括するRolf Bulander氏
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――2020年までにはクルマの世界販売台数が年間1億台を突破することが予想されている。こうした中で、パワートレーンの電動化について、どのようなシナリオを描いているのか。


 2025年までに新車の15%が電動車両になると見込んでいる。ハイブリッド車(HEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)といった電動車両の市場規模は、2012年の段階では180万台に過ぎなかった。これが、2015年には320万台に、2020年には1210万台になると予測する。

 この予測自体は、実は2012年に打ち出したものだ。当時は電動化の話題が盛り上がっており、「非常に保守的だ」と言われた。だが、現実に世の中が思っていたほど電動車両は普及しておらず、我々が予想した通りに推移している。