再生可能エネルギーが次第に普及してきて、電力系統への影響が現れるようになってきた。例えば、今年の夏は全国的に猛暑日が続いたが、ピーク時の電力需給バランスは比較的安定に推移した。節電意識の高まりもいくぶんあるのだろうが、太陽光発電が生み出す電力が真夏のピークカットに大きく貢献したことは確かである。

山梨県の米倉山太陽光発電所の入口にあるPR施設
山梨県の米倉山太陽光発電所の入口にあるPR施設
[画像のクリックで拡大表示]

 再生可能エネルギーの役割が大きくなるにつれ、その欠点である出力変動が電力系統に与える影響が無視できなくなる。安価で高性能な蓄電システムを開発しないと、それがボトルネックとなって、再生可能エネルギーの普及が頭打ちになる可能性もある。

 鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」プロジェクトの一環として、クボテック、古河電工、ミラプロらの企業グループ、および山梨県と共同で、電力安定化用の超電導フライホイールを開発してきた(関連記事)。このほどその実証試験用施設が完成し、テープカットの式典が2015年9月3日に行われた。山梨県が建設した米倉山実証試験用太陽光発電所の1MWのソーラーパネルに接続され、実証試験が行われる。

鉄道総研 浮上式鉄道技術研究部部長の長嶋 賢氏
鉄道総研 浮上式鉄道技術研究部部長の長嶋 賢氏
[画像のクリックで拡大表示]