視覚支援用網膜投影アイウェア
視覚支援用網膜投影アイウェア
提供:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
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アイウェアの装着イメージ
アイウェアの装着イメージ
提供:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
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 NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2015年8月31日、福祉用具の実用化支援事業において、「視覚支援用網膜投影アイウェア」「ハンズフリー型ウェアラブル電気式人工喉頭」「軽量で走破性に優れる電動車椅子の前輪とモーター」の開発を新たなテーマに採用することを発表した。

 このうち「視覚支援用網膜投影アイウェア」は、屈折異常、角膜混濁、白内障など眼球前側の疾患に対する視覚補助手段となるアイウエア。マクスウエル視を応用したレーザー直視型の網膜走査技術を用いながら、一般的な使用に耐える小型化や高画質化を目指す。助成先は、QDレーザを予定する。

 「ハンズフリー型ウェアラブル電気式人工喉頭」は、発声時に片手が束縛されていた既存の人工喉頭の欠点を是正して、両手が自由に使えるようにする人工喉頭。そのために、首の動きに左右されない首バンド、振動子に代わる音源、電源と抑揚を制御するセンサーなどを新たに開発する。助成先は第一医科を予定する。

 「軽量で走破性に優れる電動車椅子の前輪とモーター」は、高齢者・障害者の屋外での活動を促す電動車椅子の部品となる。前後左右に進むことができるオムニホイールを採用して、保管場所や持ち運びが簡単な小型・軽量化を実現する。助成先はWHILLを予定する。

 これらの福祉用具は、用途や障害の度合いによってマーケットが異なる多品種少量生産の製品であり、個々の市場規模が小さいため事業者は大きな開発リスクを抱えている。こうした状況を踏まえて、NEDOでは1993年以降、「課題解決型福祉用具実用化開発支援事業」において福祉用具の開発を行う企業に対する実用化支援を継続的に実施しているという。