国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター副センター長の巽英介氏
国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター副センター長の巽英介氏
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 国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター副センター長の巽英介氏は2015年8月28日、ハナマルキの「2015秋の新商品記者説明会」に出席し、国立循環器病研究センターが推進する「かるしおプロジェクト」の活動内容について解説した。

 かるしおプロジェクトとは、循環器疾患を予防することを目的に「塩を軽く使ってうまみを引き出す、減塩の新しい考え方」を広める取り組みのこと。同センターではそのために、おいしい減塩レシピである「かるしおレシピ」の啓蒙、健康づくりと地産地消を結びつける「ご当地かるしおレシピプロジェクト」、そして食生活の改善に役立つ食品に対する「かるしお認定制度」といった活動を展開している。

 かるしおレシピは、国立循環器病研究センターの入院患者向けメニューのレシピをまとめたもので、「国循のおいしいかるしおレシピ」などのレシピ本を出版している。同センターでは入院患者の食事に含まれる塩分量を1食あたり2グラムに制限しているが、「それでも大変おいしいという評価を患者さんからいただいている」(巽氏)という。

 かるしお認定を取得するには「他の食品に比べて食品100グラム(液状の場合は100ミリリットル)あたり、ナトリウムが120ミリグラム以上減少している」「委員会および事前評価グループメンバーの過半数が、同ジャンルの対象品と比べて同等レベル以上においしいと認める」、さらに「私たちのこうした発想に同意して、企業としてご協力いただける」(巽氏)という条件を満たす必要がある。

 かるしお認定の審査は2段階に分かれており、まずセンター内の専門家(栄養士や調理師を含む)が減塩基準を満たしているか、素材の味を引き出しているかを審査する。そして1次審査をパスした商品について、外部の専門家が加わった審査チームが商品そのものと共に企業姿勢も評価する。

 ハナマルキは同日「かるしお無添加減塩」「かるしおおいしい減塩だし入りみそ」「かるしおおいしい減塩よりどり6食」の3商品を含む6つの商品を発表した。これら3商品は、日本食品標準成分表 2010の「淡色辛いみそ」(食塩相当量12.4%)と比較して塩分を30%以上減らしており、みそというジャンルにおいて同認定を取得した初めての商品になるという。