マイクログリッドの制御に使われるネットワーク制御システム「Spectrum Power」の表示例
マイクログリッドの制御に使われるネットワーク制御システム「Spectrum Power」の表示例
(出所:シーメンス)
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 ドイツの重電メーカーであるシーメンスは8月26日、米国カリフォルニア州において、ネイティブアメリカン(Native American:米国の先住民族)向けに、太陽光発電を主電源とするマイクログリッドを構築すると発表した。

 カリフォルニア州にある米国政府のBlue Lake Rancheria事務所、ハンボルト郡立大学のSchatz Energy Research Centerと共同で構築する。面積0.4km2の区域内にある、ネイティブアメリカン政府の建物や、企業の事業所、ホテル、赤十字の施設などに電力を供給する。

 米Pacific Gas & Electric社の電力網に連系するものの、離島や遠隔地のマイクログリッドと同じように、独立して運用できる。このため、上位の電力網が停電した場合、切り離して運用できるとしている。

 マイクログリッドには、出力0.5MWの太陽光発電システムのほか、バイオマスを使った燃料電池システム、ディーゼル発電機、蓄電池などを導入する。蓄電池の容量は950kWhとなっている。

 シーメンスのエネルギー管理技術を採用し、ネットワーク制御システム「Spectrum Power」やSCADA(産業用制御システム)により、無人で運用される。

 導入する太陽光発電システムは、ハンボルト郡内で最大の規模になる。2016年秋までに運用を開始する予定となっている。

 採用するネットワーク制御システムは、電力網の管理やエネルギーの需給管理を担う。天候予測や需要予測を基に、電力の需給を高精度に予測でき、分散型の発電システムやエネルギー貯蔵システムを最適に制御できる仕組みを構築するとしている。