2016年4月3~7日、米国ミズーリ州セントルイスで3Dプリンティング(Additive Manufacturing:付加製造)に関するイベント「Additive Manufacturing Users Group(AMUG) Conference」が開催された(図1)。主催者であるAMUGは、米国における3Dプリンターのユーザーや造形技術の識者などから成る組織。キャッチコピーに「For Users, By Users」とあるように、特定の装置メーカーの枠にしばられない中立的な会だ。

図1 AMUG Conferenceのメイン会場
図1 AMUG Conferenceのメイン会場
米国を中心に世界各国から1000人以上が参加した。写真は、主要ベンダーによるパネルディスカッションの様子。
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 年に1回開催されるAMUG Conferenceは、3Dプリンターのユーザーや装置/材料/ソフトウエアなどのベンダーらが一堂に会するいわばAMUGの総会のような場。ユーザーによる活用事例の発表の他、ベンダーの技術発表、技術・製品展示などが行われる。ここに来れば最新の技術やユーザー活用の動向が分かるとあって、米国だけでなく欧州やアジアからも多数の参加者が訪れる。その規模は、昨今の世界的な3Dプリンティングへの関心の高さを反映して年々拡大。第28回となる今回は、1000人以上が集まって非常な盛り上がりをみせた*1

*1 AMUGの前身は1980年代に発足した「3D Systems North American Stereolithography Users Group」。当時はその名の通り米3D Systems社の光造形装置のユーザー会だったが、2012年に会の体制と目的を刷新。使っている装置のメーカーに関係なく、樹脂や金属などの幅広いAM技術を対象に教育や先進ユーザー同士の情報交換を図ることを目的とした現在の体制に変えた。