米General Electric(GE)社が、金属3Dプリンターのメーカー2社を相次いで買収した*1。スウェーデンArcam社とドイツConcept Laser社で、いずれも平らに敷き詰めた金属粉末を選択的に熱して溶融結合させるという工程を繰り返して積層造形する「粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)」方式の3Dプリンターを開発するメーカーだ。両社の違いは、粉末を溶融するエネルギーとして、Arcam社は電子ビームを使用するのに対し、Concept Laser社はレーザービームを採用するという点である。

*1 レーザービーム方式の金属3Dプリンターに関して、実はGE社は2016年9月にドイツSLM Solutions社を買収すると発表していた。しかし株主との交渉がまとまらずに断念。同年10月に同じくドイツのConcept Laser社を買収すると発表した。

 2社の買収に要する金額は十数億米ドルとみられる*2。2社の買収を除いても、GE社は3Dプリンティング(Additive Manufacturing)に関する研究開発にこれまで15億米ドルを投資しており、技術力を強化することでグループ全体として今後10年間で30億~50億米ドルのコストダウンを実現する見込みという。同時に、外部に提供する3Dプリンティング事業そのものも拡大し、2020年までに売上高10億米ドル規模に成長させる計画だ。

*2 Arcam社の買収は、1株当たり最高で300スウェーデンクローナ(1クローナ=約12.7円、2017年1月18日時点)。2016年12月時点で、株式総数が約2075万株の76.15%である約1580万株を取得できたことを明らかにしている。Concept Laser社に関しては、同社の株式75%を5億9900万米ドルで取得することに2016年10月27日に合意し、同年12月8日に契約を確定した。