輝創(本社名古屋市)は、レーザーとプラズマの両方を利用して、金属と樹脂を直接接合する技術を開発している*1。レーザー応用機器開発の一環として取り組んでいる技術である。この技術の概要や接合方法、接合メカニズムなどについて説明する*2。
*1 2012年3月起業。業務内容は[1]レーザー応用機器開発と製造、[2]Atomic Layer Depositionやスパッタ装置などの真空薄膜機器の取り扱い、[3]アンカーレスの耐震固定の取り扱いなどである。
*2 2014年9月29日に日経ものづくりが開催したセミナー「異種材料接合・最前線」の前田氏の講演を再編集した。講演の詳細は書籍「異種材料接合」(日経BP社、2014年12月発行)に収録している。
金属と樹脂の異種材料接合技術
異種材料の接合技術を、現在実用化が進みつつあるものと、研究開発の段階にあるものに分けて考えてみる(図1)。
実用化されつつあるものの代表は、インサート成形である。金属表面に何らかの処理や加工を施した上で金型に入れて、樹脂を射出成形する方法だ。近い時期に普及が進むと考えられる。
研究開発の段階にあるものとしては、レーザー接合がある。このレーザー接合には主な方式が3つあり、バブル圧を使った接合、樹脂と金属の間に中間材を挟み込んだ接合、そしてアンカー効果を利用する接合方法だ。我々が開発しているのは、基本的にアンカー効果を利用する接合技術である。