東レは2016年10月にプライベート展示会「先端材料展2016」を開催し、新しいコンセプト車を公開した。異種材料で構成するボディーを想定し、樹脂や炭素繊維強化樹脂(CFRP)の新たな使い方を示した(図1)。
同社は2011年に、「TEEWAVE AR1」という電気自動車(EV)のコンセプト車を開発していた。ボディー全体にCFRPを使用し、「クルマをどこまで軽くできるか」を追求した車両だった。
これに対して、今回公開した新コンセプト車「同AC1」は、鋼板やアルミニウム(Al)合金、CFRPなどの異種材料で構成するマルチマテリアル構造ボディーのクルマを想定したものである。樹脂やCFRPの「より現実的な使い方」(同社)や、それを可能にする技術を盛り込んだ。その1つが、熱硬化性CFRPで造ったルーフやルーフレール、センターピラーなどのボディー骨格部品である。2020年ごろまでの実用化を目指している(図2)。