「SUBARU(スバル)」ブランドの自動車メーカーとしてのイメージが強い富士重工業(以下、富士重工)。2017年4月には社名自体も世界的に知名度が高いSUBARUへの変更を予定する。そんな同社のもう1つの事業の柱が航空機事業*1で、主力は米Boeing社の旅客機「777」「787」向けの大型部品だ*2

*1 航空機事業の2016年3月期の売上高は1528億円、営業利益は182億円に達する。富士重工全体の連結売上高に占める比率は5%と小さいものの、成長を続けている。

*2 この他に防衛庁向けの戦闘ヘリコプター「AH-64D」や多用途ヘリコプターの「UH-X」の生産・整備と無人機の開発も手掛ける。

 富士重工はこのほどBoeing社の次世代旅客機「777X」向けの部品を製造する予定の半田工場(愛知県半田市)を報道陣に公開した(図1、図2)。777向け、787向けに続く3棟目となる組み立て工場で、建築面積は1万1600m2に達する。2017年からの生産開始を予定している。

図1 富士重工業の半田工場
図1 富士重工業の半田工場
左側の手前の建物が777X向けの中央翼を組み立てる新工場。組み立てた中央翼は隣接する港から海上輸送する。
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図2 B777X向けの新しい組み立て工場の内部
図2 B777X向けの新しい組み立て工場の内部
装置の据え付けは段階的に始まっており、自動打鋲機のテストなどを既に実施している。
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