クルマも3Dプリンターで造る時代に─。そんな次世代のものづくり像をホンダが示した。2016年10月4~7日に開催された「CEATEC JAPAN 2016」(幕張メッセ)で、同社は外装部品を3Dプリンターで製造した小型電気自動車(EV)を展示したのだ(図)。

図 3Dプリンターで造った小型EV
図 3Dプリンターで造った小型EV
ホンダの「MC-β」を豊島屋向けにカスタム設計した。今後は、公道での走行を通じて一層の改良を進めるという。
[画像のクリックで拡大表示]

 この小型EVは、「鳩サブレー」などで有名な菓子メーカーの豊島屋(本社神奈川県鎌倉市)向けにホンダの「MC-β」をカスタム設計したもの*1。サイドドアなどは流用したが、カスタム設計した外装部品は全て3Dプリンターで造った。荷室を豊島屋向けに最適化したり、豊島屋のロゴや鳩の意匠を外装部品にあしらったりと、豊島屋の個別要求に応えた。設計や製造は、3Dプリンティングサービスを運営するカブク(本社東京)が手掛けた*2

*1 今回はあくまで共同開発という位置付けであり、販売に向けた具体的な計画はまだ決まっていないという。
*2 カブクが3Dプリンティングサービス向けに構築した、複数の協力工場から成る「デジタル製造工場ネットワーク」を活用した。3Dプリンターは、米国とイスラエルに本社を置くStratasys社の「Fortus 900mc」と「同450mc」を使っている。素材は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂。