なぜ鉄道会社と複合機メーカーの研究所が手を組むのか──。

 2016年7月、東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)に対して、電車のドアやレールのメンテナンス作業の効率化を実現する技術を提供することを公表した米Xerox社のPalo Alto研究所(以下、PARC)が注目を集めている。

 意外な組み合わせに思えるが、PARCはXerox社向けだけではなく、外部の企業や公的機関からさまざまなテーマの研究開発を請け負っている。

 JR東日本に対して、PARCが提供するのは、「Hybrid Condition-Based Maintenance(CBM)」と呼ばれる技術。人工知能(AI)の機械学習の技術を使い、電車のドアやレールの状態を撮影した画像など、膨大なデータを解析して故障につながる異常を検出する。