日本製紙は富士工場(静岡県富士市)でセルロースナノファイバー(CNF)強化樹脂〔図1(a)〕の実証生産設備を稼働させた*1(図2)。植物由来の繊維であるCNFを樹脂に混ぜ、軽くて高強度なCNF強化樹脂を生産する設備である。今回稼働した実証生産設備の生産能力は年産約10tである。投資金額は約3億円とする。自動車用途や家電用途などに向け、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)などの樹脂を用いたCNF強化樹脂の開発を進めていく。
*1 CNFは、木材などの植物繊維を化学的・機械的な処理によってほぐした、直径が3~数十nmの繊維である。