ソニーは2015年11月20日、クラウドファンディング・サイト「First Flight*1において、アロマディフューザー(芳香デバイス)「AROMASTIC」の製品化に向けたプロジェクトを公開した(図1)。AROMASTICは、持ち運びが容易なスティック型筐体で、ユーザーが望んだタイミングで好みの香りを自分だけで楽しむという、いわば「ウォークマンが音楽で実現した機能を、香りの楽しみ方にも応用した製品」(ソニー新規事業創出部 AROMASTICプロジェクトリーダーの藤田修二氏)。

*1 First Flight
ソニーが2015年7月に開設したWebサイトで、具体的な商品やサービスを提案し、商品化に向けた支持を募るクラウドファンディングに加えて、具体的な提案に先立ったいち早いコミュニケーションをする「ティザー」、商品を販売する「eコマース」の3つが柱となっている。
図1 ソニーがクラウドファンディング中の「AROMASTIC」
図1 ソニーがクラウドファンディング中の「AROMASTIC」
(a)5 種類の香りから1つを選択し、本体側面のボタンを押すと空気の流れに乗って香りが先端から出てくる。外装は白色と黒色の2色を用意した。(b )ソニーのクラウドファンディング・サイト「Fir st Fli ght 」でプロジェクトを公開し、支援を募っている。目標金額は1000万円。2015年12月17日時点での達成率は33%。
[画像のクリックで拡大表示]

 この製品で注目すべきは、香り成分を格納するカートリッジを3Dプリンター(マイクロ光造形システム)で製造する計画であること。クラウドファンディング中なので発売が確定したわけではないが、クラウドファンディング向けとして出荷する予定の3700個を、2016年6月以降に量産できる体制を構築中だ。