「米Google社や米Apple社、米Amazon.com社といった新興企業と闘っていくためには、新たな仲間づくりが欠かせない。マツダとは未来のクルマを絶対にコモディティーにしないという基本的な考え方で一致した」(トヨタ自動車社長の豊田章男氏)──。

 トヨタ自動車とマツダは2017年8月4日、資本提携に関する合意書を締結した(図1)。両社で500億円相当の株式を互いに持ち合う他、総額約16億米ドル(約1760億円)を折半出資し、米国に年間30万台規模の生産能力を持つ完成車の生産合弁会社を設立する*1。2021年の稼働開始を目指し、4000人規模の雇用を行う。工場にはトヨタ用とマツダ用の生産ラインを別々に設け、トヨタは北米市場向け「カローラ」、マツダは北米市場に新しく導入するクロスオーバー車種の生産を行う*2

*1 資本提携では、トヨタはマツダが実施する第三者割当による新株式の発行により、マツダの普通株式3192万8500株(増資後の発行済み株式総数に対する所有割合5.05%、総額500億円)を取得する。また、マツダはトヨタが実施する第三者割当による自己株式の処分により、同額相当のトヨタ株式(発行済み株式総数に対する所有割合0.25%)を取得する。株式取得日(払込期日)は2017年10月2日を予定する。両社は第三者割当増資、および第三者割当による自己株式の処分を通じて、米国新工場の設立に必要な設備投資資金の一部へ充当する予定。また、両社の業務提携関係の進捗に応じて、さらなる資本提携関係の強化についても検討する。

*2 トヨタが現在建設中のメキシコ・グアナファト工場では、カローラの代わりにピックアップトラック「タコマ」を生産する。

図1 トヨタとマツダが資本提携
図1 トヨタとマツダが資本提携
会見の様子である。左がトヨタ社長の豊田章男氏、右がマツダ社長の小飼雅道氏。(写真:トヨタ自動車)