バリのないきれいな形状に、滑らかな表面。写真は、アルミニウム合金製のチェスの駒(手前、先手の駒)だ。鋳造品である。驚くのは、金型(金型鋼を使った型)を使わずに、高い寸法精度と優れた表面粗さを実現していること。おまけに、コストは金型よりも低い。もちろん、砂型による鋳造品に対して切削や研削、磨きといった仕上げ加工を施したわけでもない。鋳造後に型を開いて成形品を取り出すだけで、写真のような完成品となる。秘密は型にある。さて、鋳型(以下、型)の材料は何だろうか?

奥の駒(後手の駒)は識別のために表面にアルマイト処理を施して黒っぽくしている。
奥の駒(後手の駒)は識別のために表面にアルマイト処理を施して黒っぽくしている。
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