複写機という「モノ」売りビジネスから情報にまつわる顧客の課題を解決する「コト」ビジネスへ。2008年に「複写機卒業」宣言した富士ゼロックスは、顧客企業内のコミュニケーションや情報のやり取りにまつわる課題を解決するソリューション企業としての側面の強化に挑んでいる。

写真:栗原克己
写真:栗原克己

 かつては複写機、電話、計算機というのがオフィスにおける三種の神器であり、その中で複写機はコミュニケーション手段の1つでした。日本の経済が右肩上がりの時代には膨大な量のコミュニケーションが必要で、それが紙ベースで行われていたわけです。

 しかし、IT化が進み、電話がスマートフォンになり、コンピューターが大型のホストコンピューターからクライアント・サーバーを経てクラウドになってきています。すごい数のコミュニケーション手段が登場すると同時に、当社の顧客ニーズも変化してきています。「安くて早くてきれいなコピーが取れます」だけでは、もはや商売になりません。