美的集団股分公司とのロボット関連の合弁会社設立、上海でのロボットセンターの開設など、安川電機が中国での産業用ロボット事業を加速させている。これから同国で工場の自動化需要の拡大が期待できるからだ。さらに、その視線の先には、知能化を武器にした勝ち残りがある。2016年3月に同社トップに就任した小笠原氏に、その戦略を聞いた。

写真:飯山翔三
写真:飯山翔三

 安川電機は、2015年4月に発表した長期経営計画「2025年ビジョン」の中で、ロボットなどの既存コア事業で世界一を追求すること、環境という観点に立った創・蓄・活エネルギー事業を確立することなどを掲げています。この「ロボット」や「環境エネルギー」という点で我々が注目している市場が中国です。

 最近、中国の景気減速が懸念されていますが、世界市場の中でも同国における機械化・自動化の伸び代はまだかなり大きいものがあります。市場の伸長率は確かに鈍化しているものの、ロボット産業の成長が続くことは間違いありません。

 我々も同国の自動車産業の景気減速による影響を心配していましたが、ロボット産業の落ち込みはそれほど大きくありません。自動車産業以外でも、今の中国の工場ではロボットを持つことが1つのステータスになっていて導入が盛んです。