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HOME有料会員向けトップ > オープンな世界最速AI基盤、そこに日本の勝機がある(完全版)

日経エレクトロニクス 2017年1月号

Innovator

オープンな世界最速AI基盤、そこに日本の勝機がある(完全版)

産業技術総合研究所 人工知能研究センター 特定フェロー 松岡 聡氏

  • 聞き手=今井 拓司
  • 2016/12/19 00:00
  • 1/14ページ

出典:日経エレクトロニクス、2017年1月号、pp.50-53(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

2017年度第4四半期をメドに、人工知能(AI)の学習で世界最高速の環境をクラウド上に構築し、日本の関連産業を振興する。産業技術総合研究所が打ち出した計画は、このままでは海外に後れを取りかねないとの危機感の裏返しだ。計画を主導した産総研特定フェローで東京工業大学教授の松岡氏に、一連の計画の狙いと勝算を聞いた。

松岡 聡氏(まつおか・さとし)
1993年に理学博士(東京大学)。2001年より東京工業大学 学術国際情報センター 教授。2014年11月に、スパコンの研究分野で世界最高峰の賞と言われるIEEE Computer Society Sidney Fernbach Memorial Awardを日本人として初めて受賞。多くの主要な国際学会の委員長職などを歴任。(写真:加藤 康)

――AI向けの超高速サーバー機のインフラ「ABCI(AI Bridging Cloud Infrastructure)」を作ることになった、そもそもの発端は。

 昔の話からすると、(1980年代に)通商産業省(現・経済産業省)の「第五世代コンピュータ」プロジェクトでAIコンピューターを作る計画がありましたが、全般的に見ると失敗しました。

 理由の1つはAIのモデルが論理学ベースだったこと。ニューラルネットもありましたが、当時のAIの主流派は、英国・フランスといった欧州の論理学やプログラム言語の意味論の学派を中心としたProlog言語などによる記号論理ベースのAIが主流でした。米国では、MIT(Massachusetts Institute of Technology)のAI研などでは(知識表現の)フレームを使った推論や、Lisp言語を使ったエキスパートシステムなどをやっていましたが、それらはやはり記号論理ベースでした。日本でも、第5世代コンピュータを推進していたICOT(新世代コンピュータ技術開発機構)では、GHC(Guarded Horn Clause)とか、その実装であるKL1とか、Prolog流の論理型言語を主に使っていたわけです。

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