「米倉山太陽光発電所」は、山梨県の甲府駅からクルマで30分ほどの山間にある出力10MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)だ。山梨県企業局が、東京電力との共同事業として県有地に建設した。2012年1月に運転を開始した当時、国内最大級の規模を誇り、メガソーラー時代の先駆けとなった。山梨県の日照時間の長さは、全国でもトップクラスで、太陽光発電の適地でもある。

 同企業局は、公営企業として電気事業を営むとともに、その収益を地域産業の発展のために活用している。米倉山太陽光発電所と同時に隣地に開設した「ゆめソーラー館やまなし」もその1つだ(図1)。同館は、太陽光発電の大量普及を睨んだ新産業の育成を後押しする役目も担っている。

図1 山梨県にある「米倉山太陽光発電所」
図1 山梨県にある「米倉山太陽光発電所」
山梨県企業局が設置した「米倉山太陽光発電所」(a)。東京電力との共同事業として県有地に建設したもので、出力は10MWだ。「ゆめソーラー館やまなし」は、屋根上に20kWの太陽光パネルを設置している(b)。
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 新産業とは、変動する再生可能エネルギーの出力を安定的に活用するための「蓄エネルギー技術」だ。「ゆめソーラー館やまなし」では、再エネに加え、複数の蓄エネルギー設備を実証的に導入することで、館内に必要な電力(最大需要は約10kW)をほぼ自給している。