スマートフォン市場の成長の鈍化を懸念する声が大きくなった。調査会社の米IDCは、2016年のスマホ出荷台数が、全世界で14億8250万台、前年比3.1%増にとどまると予測。2014年は27.8%、2015年は10.5%成長したのだから、明らかな急ブレーキだ。

 スマホは、2007年の「iPhone」の登場以降、半導体や電子部品の産業に巨大な需要をもたらし、同時に技術の進化も牽引する役割を担っていた。部品を供給するメーカーにとって、製品開発、設備投資、サプライチェーンの構築を考える上で、最優先で検討すべき応用機器と言える。

 飽和感を、肌で感じるスマホメーカー各社の製品企画には、苦慮の跡が見える。米Apple社は、過去に評判のよかった製品に最小限の更新を加え、低コストで最新性能を実現した「iPhone SE」を発売。製品名に、進化を刻む数字を冠さない製品ラインを用意した。他社の新製品も、使い勝手の改善など堅実な進歩はみられるが、進取果敢なイノベーションを求める機運は鳴りを潜めている。

 とはいえ、スマホは世界中の人々の生活に溶け込む日常品であり、市場の消失は考えられない。大きな成長や劇的な進化は望めないが、巨大であり続ける市場。今回のテクノ大喜利では、そんな飽和後のスマホ市場とどのように向き合うべきか、論じていただいた(表1)。

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表1 「飽和市場スマホで勝ち抜く」をテーマにしたテクノ大喜利での回答
表1 「飽和市場スマホで勝ち抜く」をテーマにしたテクノ大喜利での回答
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