地震が少ないと思われていた九州地方を襲った「熊本地震」。ここに生産拠点を置く多くの企業が、大きな損害を被った。東日本大震災以降、事業継続計画(BCP)の一環で、生産拠点の分散化が進められてきた。しかし、九州地方に関しては、むしろ生産拠点が集中する傾向にあった。

 九州は、“シリコンアイランド”と呼ばれる半導体の一大生産地である。数ある工業製品の中で、半導体でのBCPの策定と実行は、たやすいことではない。半導体は生産拠点の集中による効率化が極めて効果的であり、集中生産こそが事業競争力の源泉になるからだ。BCPの基本であるリスク分散と、生産拠点の集中は、真逆の方向にある。

 今回のテクノ大喜利では、BCPと事業競争力の狭間で、日本の半導体メーカーが今後なすべきことについて論じていただいた(表1)。

表1 「論考、地震大国のものづくり」をテーマにしたテクノ大喜利での回答
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