「日経エレクトロニクス」2017年5月号の「電子産業の聖地で起きる異変は、軽視すべきではない、【テクノ大喜利まとめ】トランプ時代の歩き方」を先行公開した記事です。

 米国のトランプ大統領は2017年1月20日の就任以来、7カ国からの入国禁止令や国境の壁の建設指示、そしてTPP脱退と、選挙中の公約を実行する大統領令に次々と署名。さらには毎日のように発せられるツイッターが世界中を振り回している。こうした様子から、多方面で世界をリードしてきた米国が変わりつつあることを、誰もが感じ始めている。

 これまで米国、とりわけシリコンバレーは、世界中の知が交わる「知の交差点」として、イノベーション創出の拠点になってきた。トランプ大統領の打ち出す施策がすべて実行されるわけではない。しかし、外国人にとっても「自由と夢の国」だった米国が、もはや永遠ではないことを世界に印象付けたことは確かだ。

 また現在、世界の電子業界は、人工知能、IoT、ロボット、自動運転、電気自動車のような、労働問題やエネルギー問題、医療問題、防衛など、政策の方向性に大きく左右される応用に向けた技術を成長軸に据えている。政策の急変は、こうした技術と関連市場の行方にも何らかの影響を及ぼす可能性がある。

 今回のテクノ大喜利は、トランプ政権の施策が電子業界にどのような影響を及ぼし得るのか、さまざまな視座から見える変化のポイントをブレインストーミングした(表1)。

表1 テクノ大喜利「トランプ時代の歩き方」回答まとめ
表1 テクノ大喜利「トランプ時代の歩き方」回答まとめ
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