2017年1月に開催された「Consumer Electronics Show(CES)2017」では、開催前夜の基調講演にNVIDIA社 Founder兼CEOの Jen-Hsun Huang氏が登壇した。この講演枠には特別な意味がある。2000年から2008年まで、Microsoft社のBill Gates氏が連続して登壇し、電子業界の盟主から年頭のご託宣を聞く場だったのだ。2013年以降、そこにはQualcomm社、Intel社、Samsung Electronics社、Volkswagen社と、その年の電子業界の空気を映す企業のトップが次々と登壇した。NVIDIA社は、電子業界の今を代表する顔として認定されたと言える。

 確かに近年のNVIDIA社の快進撃は、目を見張る。足下の業績は急上昇。さらには、主力製品であるGPUが、ディープラーニングや自動運転、仮想現実(VR)、さらには高度な科学計算を行うハイパフォーマンス・コンピューティングの分野など、今後の急成長が期待される数多くの応用分野で強烈な存在感を放っている。

 ただし、同社には不安な点もいくつかある。まず、たった1つのGPUアーキテクチャーで多くの応用分野をカバーしている点。さらに期待の成長市場では、半導体業界で百戦錬磨の競合企業が、FPGAやAIチップなどGPUとは別のアプローチで、同社GPUが現在占める地位を奪取しようとしている。

 今回のテクノ大喜利では、同社が勢いを継続するための条件を、競合企業が採る可能性がある攻め手をあぶり出すことで考えた(表1)。

表1 テクノ大喜利「時代の寵児、NVIDIAの行方」回答まとめ
表1 テクノ大喜利「時代の寵児、NVIDIAの行方」回答まとめ
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