生誕10周年を記念して2017年11月に発売された米Apple社の「iPhone X」。同社が「スマートフォンの未来形」と語る製品はいかなるものか。日経エレクトロニクスは研究者・技術者の協力を仰ぎながら、実機を分解・分析。その結果を解説する。

 「まさかこんな風になっているとは」。米Apple社の「iPhone X」の分解に携わった技術者たちの多くが、驚きを隠さない。それは、エレクトロニクス業界でささやかれていた「予想」とは異なる結果が明らかになったからだ。その箇所は大きく4つ。メイン基板と有機ELディスプレー、画面を指で押す力の強さを判別する感圧センサー、顔認証機能「Face ID」用のセンサーである(図1)。

図1 iPhone Xに4つの「予想外」
図1 iPhone Xに4つの「予想外」
iPhone Xを分解・分析したところ、メイン基板や有機ELディスプレー、感圧センサー、顔認証用センサーで、業界内の「予想」とは異なる結果になった。(写真:陶山 勉)
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