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日経エレクトロニクス 2016年1月号

Emerging Tech

植物超えは当たり前、実用化見据える人工光合成

  • 根津 禎
  • 2015/12/18 00:00
  • 1/6ページ

出典:日経エレクトロニクス、2016年1月号、pp.83-87(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

植物の光合成を模倣した「人工光合成」の研究開発が、国内外を問わず盛んになっている。中でも日本のメーカーや研究機関などが、大きな成果を次々と発表している。効率は植物を超え、生成できる有機物の種類も増えている。人工光合成における研究開発の最前線を追った。

 人工光合成の技術進化が止まらない。人工光合成で生成した有機物が持つエネルギーを入射光のエネルギーで割った変換効率は、植物を超えて5%弱になった。

 生成できる有機物の種類も増えている。エチレングリコール(C2H4(OH)2)やエタノール(CH3CH2OH)といった、生成が難しいとされた、炭素数2の有機物を作れるようになった。これまでは炭素数が1のもの、例えばギ酸(HCOOH)だった。事業面でも進展しており、人工光合成のプロセスの一部を先行して実用化するメドが付きつつある(図1)。

図1 進化する人工光合成
植物の光合成を模した人工光合成の研究が進展している。これまで植物よりも低かった効率は、植物を超える値になった。エチレングリコールやエタノールも炭素数が2の物質を生成できるようになった。これまでの生成物といえば炭素数が1のもの、例えばギ酸だった。工業化のシナリオが見えなかったことも課題だったが、人工光合成のプロセスの一部を先行して実用化するメドが付きつつある。(画像:上は豊田中央研究所、中央は東芝)
[画像のクリックで拡大表示]

 人工光合成は、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)、太陽光を利用して有機物を作り出す、植物の光合成を模倣した技術の総称である。温室効果があるCO2を削減しつつ、エネルギー源や材料になる有機物を獲得できるため、国内外で研究開発が活発化している。以下では、2015年に発表された成果を中心に最新の研究動向を紹介する。

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