自動車内のネットワーク(車載ネットワーク)の次世代技術として本命視されているEthernet。その車載Ethernetに関する国際会議が2015年10月に日本で初開催された。車載Ethernetに関しては、これまで海外の自動車メーカーや車載機器メーカーが採用に積極的な姿勢を見せてきた。今回の国際会議では、日本の自動車業界も車載Ethernetの採用に前向きな姿勢を明確にした。

 日本の自動車業界もいよいよEthernet採用に舵を切る──。その兆候が、2015年10月にパシフィコ横浜で開催された車載Ethernet関連の国際会議「5th Annual IEEE-SA Ethernet&IP@Automotive Technology Day」で見えた。

 これまで車載Ethernetの採用に積極的だったのは、海外、特に欧州の自動車業界だった。例えば、ドイツBMW社が「X5」の2014年モデル/2015年モデル、英Jaguar Land Roverグループが「Jaguar XJ」の2015年モデル、ドイツVolkswagenグループが「Passat」の2015年モデルなどに採用してきた。

 車載Ethernetの国際会議の舞台も、これまでは欧州や米国。日本で開催されたのは今回が初めてだ(図1)。お膝元の日本の自動車業界の企業は今回、車載Ethernetの利用を想定した研究開発成果をこぞって発表した。

図1 車載Ethernetの国際会議が日本で初開催
図1 車載Ethernetの国際会議が日本で初開催
車載Ethernet関連の国際会議「5th Annual IEEE-SA Ethernet&IP@Automotive Technology Day」が、2015年10月にパシフィコ横浜で開催された。同会議が日本で開催されるのは今回が初めてである。国内外から、過去最大となる500名以上が参加した。講演の他、講演会場に隣接した展示会場では、車載機器メーカーや半導体メーカー、部品メーカーなどが車載Ethernet関連製品を出展した。(写真:柴仁人)
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