electronica 2016におけるIoTのトレンドは、「認知から採用」である。初日に催された、複数のCEOが参画した討論会「CEO Roundtable」では、2年前の討論会と同じく、IoTがテーマになっていた。2年前には「IoTとか何か。そのメリットは何か」を議論したという。2年を経て、IoTによってつながる世界が訪れることは広く認知されたとする。そこで今回は、つながった世界を守るために必要なセキュリティーを中心に議論された(関連記事)。「IoT実用化のカギはセキュリティーが握る」というのが、この討論会の結論だった。

CEO Roundtableの壇上 (写真:日経エレクトロニクス)
CEO Roundtableの壇上 (写真:日経エレクトロニクス)
[画像のクリックで拡大表示]

 セキュリティーと共に、IoTの実現に重要な技術が通信である。ただし、今のところは、どちらも、「IoTシステムを構築する際の障壁だ」との指摘があったのが、オランダNXP Semiconductors社が報道機関向けに開いた討論会である(関連記事)。「10年前には工場では誰もセキュリティーを気にしていなかった」(Offenburg University in GermanyのAxel Sikora氏)というように、セキュリティーや通信などの専門家がIoTシステムを構築したい現場にいないことは珍しくない。