多くの疾病が早期に診断・治療されるようになってきた昨今、その流れに取り残されているのが精神疾患、すなわちメンタルヘルスの領域だ。診断の「基準が曖昧で不安定。(疾病の兆候を早期に捉えるのに役立つ)バイオマーカーも存在しない」。メンタルヘルスの現状を、慶応義塾大学 医学部 精神・神経科学教室の岸本泰士郎氏はこう話す。

 企業による従業員の「ストレスチェック」が2015年12月から義務化されるなど、メンタルヘルスへの関心が高まる今、この領域で注目のプロジェクトが立ち上がった。日経デジタルヘルスの2015年10月のページビュー(PV)ランキングでは、このプロジェクトを紹介する記事が第9位に入った(表1)。

表1 日経デジタルヘルスに掲載した記事の2015年10月のPVランキングトップ10
表1 日経デジタルヘルスに掲載した記事の2015年10月のPVランキングトップ10
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