次世代の自動車内のネットワーク「車載Ethernet」。その最新成果が集まる国際会議が、2016年秋にフランス・パリで開催された。今回のトピックは、低コスト化を狙った10Mビット/秒や高速化を目指した数Gビット/秒という、新しい車載Ethernetの議論が始まったこと。加えて、車載Ethernetに取り組む半導体メーカーの姿勢や顔ぶれに変化が出てきた。
自動車業界において、車載Ethernetの採用や普及促進、標準化にとりわけ力を入れてきたドイツBMW社。車載Ethernetの旗振り役と言える同社が今、強い関心を寄せているのが10Mビット/秒や数Gビット/秒の車載Ethernetである(図1)。2016年秋に開催された車載Ethernet関連の国際会議「2016 IEEE-SA Ethernet & IP@Automotive Technology Day(以下、E&IP@ATD)」のパネルディスカッションでは、同社の車載EthernetにおけるキーパーソンのKirsten Matheus氏がモデレーターを務め、数名の登壇者たちと議論した。