半導体技術は“ポストムーア”の時代に突入しつつある。早ければ2~3年後にやってくる7nm世代にはこれまでにない半導体技術の大変革が幾つも必要になっている。この改革には技術的課題が山積しており、順風満帆とはいかない。メーカーは、実現したい性能やメリットの取捨選択が求められそうだ。従来の常識の延長線上にない新技術は、この分野への新規参入や巻き返しのための大きな武器ともなる。

 技術的限界に近づき、半導体の微細化の速度がムーアの法則から大きくズレ始めた。今後、半導体技術を進化させるには革新的技術の導入が不可避になりつつある。微細化を進めればよかったこれまでとは異なり、一歩進むごとに新技術が必要になる“茨の時代”になりそうだ。この時代をくぐりぬけた先に見えてくる半導体は、今までとまったく違うものになる。この移行過程において、新規参入のチャンス、そして現行の半導体産業での“負け組”にも巻き返しのチャンスが出てくる。