米Fetch Robotics社、米Suitable Technologies社、米Savioke社─。米国シリコンバレーには、ロボット向けソフトウエアフレームワーク「ROS(Robot Operating System)」の開発元だった米Willow Garage社の出身者らが設立したロボット関連のスタートアップが多くある。その中から、注目の企業がまた1つ新たに現れた。物流業や製造業向けに、ティーチングレスのパレタイジング/デパレタイジング用システムを手掛ける米Kinema Systems社である(図1)。

図1 教示レスでデパレタイジングを実現
図1 教示レスでデパレタイジングを実現
段ボールのデパレタイジングをほぼ自動で行う。(写真:Kinema Systems社)
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 起業したのは、ROS上で利用できるオープンソースのマニピュレーション用フレームワークとして著名な「MoveIt!」1)の開発者、Sachin Chitta氏だ。ドローンの群制御などの研究で著名な米University of Pennsylvania教授Vijay Kumar氏の教え子で、同氏の下でロボットの動作計画の研究を実施した。その後、Willow Garage社に参画し、同社の活動停止後は米SRI International社に移籍。ロボット研究の部門でAssociate Directorを務めていたが、2015年6月、MoveIt!の開発経験を基にしてKinema Systems社を創業した。

 同社は長らくステルスモードで開発を続けていたが、このほど実演動画などを公開し、製品の特徴などが明らかになった。