LEDを1つひとつの画素として利用する「LEDディスプレー」がにわかに脚光を浴びている。これまでLEDディスプレーといえば、デジタルサイネージやパブリックビューイングといった、いわゆる「BtoB」用途が主だった。この状況が今後大きく変わる可能性が出てきた。高価なLEDディスプレーを安価にし、テレビや携帯電話機、ウエアラブル機器などの民生機器に展開しようという動きが活発化している。

 米Apple社や韓国Samsung Electronics社、ソニーといった大手機器メーカーが、関心を寄せるディスプレーがある。LEDを各画素として利用する「LEDディスプレー」だ。液晶や有機ELに続く「第3のディスプレー」として期待を集める。

 例えばApple社は、小型のLEDディスプレーを手掛ける米国のベンチャー企業LuxVue Technology社を2014年に買収。買収金額は不明だが、「LED 業界では約400 億円と言われている」(発光素子を研究しているある大学教授)。「Apple Watch」などのウエアラブル端末向けとして、Apple社はLEDディスプレーに強い関心を持つと噂されている。

 Samsung社は、LEDディスプレーメーカーの米YESCO Electronics社の買収を2015年3月に明らかにした。ソニーも、LEDディスプレーの開発に取り組む。2012年1月の「2012 International CES」では、55型で1920×1080画素のLEDディスプレー「Crystal LED Display」を発表。現在も、LEDディスプレーの開発を続けているという。