光源に半導体レーザーを利用した「レーザープロジェクター」の新製品が相次いでいる。これまでは一部の高輝度な業務用製品に限られていたが、オフィスや家庭で利用する普及帯の製品にも広がりつつある。それに伴い、レーザー光源の性能向上が加速している。

 民生分野では、光ディスクにデータを読み書きするための光源として活用されている半導体レーザー。だが、光ディスク装置を搭載する家電やパソコンが減少傾向にある中で、半導体レーザーの性能向上は停滞気味だった。

 この状況が大きく変わり始めた。きっかけは、レーザープロジェクターが増え始めたことである(図1)。2014年ごろから、明るさ(光束)が1万lmを超えるような高出力の業務用プロジェクターの一部にレーザー光源の採用が始まった。2016年に入ると、数千lm級と普及価格帯のプロジェクターでもレーザー光源を採用する機種が急増。今後はさらに増える見込みである。そのため、デバイスメーカーが開発に力を入れ始め、光出力の向上や高効率化といった性能向上が再び始まっている。

図1 普及帯のプロジェクターにもレーザー光源
図1 普及帯のプロジェクターにもレーザー光源
プロジェクターでレーザー光源の利用が進んでいる。これまでは、明るさ(光束)1万lmを超えるような高出力の業務用プロジェクターだけだったが、現在は数千lm級と普及帯のプロジェクター(データプロジェクターやホームシアター用プロジェクター)でもレーザー光源を採用する製品が増えた。加えて、レーザー光源を利用した、新しいタイプの製品も登場している。(写真:右下のXperia Touchを除いて各社)
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