米General Electric(GE)社は発電所で使うタービンや航空機用のジェットエンジンなどのタービン内部の非破壊検査を実施し、問題があればその場で修理できる超小型ロボットを開発している。開発プロジェクト名は「In-situ Robotics project」。In-situはラテン語で「現場」という意味だ。2019年までに実用化する。

 ニューヨーク州ニスカユナにあるGE社Global Research Centerでプロジェクトを指揮するSenior Principal ScientistのDon Lipkin氏と、ソフトウエア開発を担当するKori MacDonald氏(図1)への取材を基に、同プロジェクトを解説しよう。

図1 Don Lipkin氏(左)とKori MacDonald氏(右)
図1 Don Lipkin氏(左)とKori MacDonald氏(右)
Don Lipkin氏は「In-situ Robotics project」の開発リーダーを務めるSenior Principal Scientist。Kori MacDonald氏はソフトウエア開発などを担当する。
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 In-situ Robotics projectでは、発電所用タービン向けの小型ロボットを2種類、航空機用ジェットエンジン向けの小型ロボットを2種類開発する。取材では発電所向けロボットのプロトタイプのデモを見られた。

 発電所用タービン向けの小型ロボットには、タービンブレード(翼)用に開発しているもの(図2)と、タービンローター(回転部)用に開発しているものがある。タービンブレード用のプロトタイプはマッチ箱サイズで、制御基板やデジタルカメラなどを搭載したセンサー基板、補修液を散布するスプレー基板、小型モータ、Liイオン2次電池などで構成。本体下部の磁石によってタービンブレードに張り付き、モータで駆動するゴムベルトによって移動する。

図2 米General Electric社の「In-situ Robotics project」
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図2 米General Electric社の「In-situ Robotics project」
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図2 米General Electric社の「In-situ Robotics project」
マッチ箱サイズの小型ロボットで、デジタルカメラや自走用モーターを搭載。本体下部には磁石を取り付けており、鉄板に吸い付いて移動する。