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日経エレクトロニクス 2017年7月号

Emerging Tech

HDDは死なず、20T超えで記憶階層下支え

  • 今井 拓司
  • 2017/06/19 00:00
  • 1/7ページ

出典:日経エレクトロニクス、2017年7月号、pp.81-86(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

HDDの大容量化が着実に進んでいる。2017年に記録容量12~14Tバイトの3.5インチ型の量産が始まり、2020年ごろにも20Tバイトの製品が登場する可能性がある。従来の外部記憶装置としての役割はSSDに奪われつつあるが、記憶階層の一段下に当たる「ニアラインストレージ」として生き残っていきそうだ。

 「HDDはNANDフラッシュに駆逐されるんじゃないか。しばらく前には、そう思っていた。今は、当面はすみ分けられるだろうと考えている」。HDDメーカーから、こうした声が漏れ始めている。2016年から2017年にかけて、NANDフラッシュメモリーの供給不足でHDDの需要が持ち直したことが一因だ。もう1つの理由は、HDDでなければならない用途が、少なくとも今後5~10年は継続するとの予測である。

 各社が期待するのは、「ニアラインストレージ」と呼ばれる使い方だ。コンピューターの記憶階層では、主記憶や外部記憶よりもさらに下に位置する(図1)。従来HDDが担ってきた外部記憶装置の座は、幅広い機器でNANDフラッシュメモリーや、それを内蔵したSSDに奪われつつある。ニアラインストレージは、SSDに格納しきれなかったデータを、その1つ下の階層で保存し続ける。主にクラウド環境や企業の情報システムで活用される記憶装置である。

ニアラインストレージ=アクセスする頻度が比較的少ないデータを記録するための大容量のストレージ装置。アクセスの高速性よりも、安価に大容量を提供できることが重視される。アクセスが高速なオンラインストレージと、磁気テープ装置などのオフラインストレージの間にあるものとして、「ニアライン」の名称が使われる。
図1 HDDは記憶階層の一段下に
今後は、インターネットの端部(エッジ)にあるほとんどの機器の外部記憶装置は、NANDフラッシュメモリーや、それを組み込んだSSDになる。企業の情報システムやクラウド環境でもSSDは普及するが、すべてのデータを保存するだけの容量を確保することは、コスト面から難しい。頻繁に使わないデータは、記憶階層の1段階下にある、「ニアラインストレージ」と呼ばれるHDDに保存される。世の中で生成されるデータの量は当面は増え続ける見込みで、HDDの需要は根強く残りそうだ。
[画像のクリックで拡大表示]

 この用途に向けて、今後数年はHDDの大容量化が確実に進みそうだ。2017年前半に量産が始まった3.5インチ型HDDの容量は12Tバイトで、2020年ごろまで1年に2Tバイトずつ増えていく見込みである。

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