物流業界の人手不足問題に挑む、2011年に創業したインドのベンチャーGreyOrange社。自走式ロボットが商品棚を移動させるシステムで商品のピッキング効率を大幅に高めるという。システムの概要や日本での事業をアジア太平洋CEOのNalin Advani氏に聞いた。

─ロボットの主な導入実績は。

 大口顧客はインドの電子商取引(EC)大手Flipkart社だ。巨大倉庫の1つに仕分け作業を行う「Sorter」と商品棚を自動搬送する「Butler」を導入した。Butlerは新製品で、現時点では同社と物流会社の香港KerryLogistics Network社の2社。SorterはインドAmazon India社と、自動車メーカーや物流会社など10社に納入した。2016年1月に日本で物流のプラットフォーム事業を手掛けるGROUNDと資本提携し、同社の経営にも参画した。Butlerを日本でも投入する。

 EC向け倉庫では、売れ筋の商品の棚はピッキング作業者の近く、売れない商品の棚は遠くに移動したりする。従来は週末に、今週急に売れた商品と売れなくなった商品を抽出し、夜間に人手で棚の位置を変えていた。それでも作業者は1日で約10kmも歩くことがある。例えばアパレルの商品では、1人が1時間にピッキングする商品数は40~50個が標準という。