「国家戦略特別区域」に指定された千葉市が、臨海部に位置する幕張新都心のマンション住宅地域を実証実験地区とし、近隣店舗で購入した商品や物流倉庫の商品をドローンを使って宅配する計画を進めている。実証実験の内容や参加に関する問い合わせが企業から殺到しているという。

ベイタウンでの実証に魅力

 実は千葉市以外にも、ドローンの利用を提案している特区がいくつかある。遠隔医療を掲げた兵庫県養父市や、ドローンレースを観光資源にしようとしている秋田県仙北市などだが、いずれも郊外だ。総務省統計局が公表する人口集中地区から外れるため、ドローンが飛行する際、比較的安全を確保しやすい。

 一方の千葉市は人口集中地区で、2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催される幕張メッセなどを持つ幕張新都心がある。幕張新都心はこれまでにも未来技術や国際性を取り込んだ街づくりを目指してきており、ドローンという新技術を受け入れる土壌が既にある。しかも周辺には、アマゾン ジャパン、楽天、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイといったインターネット通販企業の物流倉庫が集積している。こうした企業が、実証実験への参加に次々と名乗りを挙げている。倉庫と実証地区が臨海部にあり、ドローンが人のいない海上を通って飛行できることも魅力の1つだ。

 幕張新都心には「幕張ベイタウン」や「若葉住宅地区」といった住宅地があり、2~3km圏内には大型商業施設も立ち並ぶ。例えばこれらの施設で買ったものをドローンで宅配するなどの実証実験も併せて計画する。