“最先端パッケージ”としてにわかに注目が高まっているFOWLP(ファンアウトWLP)。米Apple社がスマートフォン向けアプリケーションプロセッサー用パッケージに採用すると見られ、一気に普及するのではと期待を集めている。単なるパッケージの薄型化に留まらず、半導体実装技術の一大転換点になる可能性もある。
「米Apple社は次期iPhone向けアプリケーションプロセッサーのパッケージにFOWLPを採用する」─そんなうわさが、半導体パッケージ業界をにぎわしている。
FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)は、半導体チップとプリント配線基板の間をつなぐ再配線層を、半導体工程を使って作る「ウエハーレベルパッケージ」の一種だ。ウエハーレベルパッケージとして先に普及したWLCSP(Wafer Level Chip Scale Package)†がパッケージ面積と半導体チップ面積が同じであるのに対して、FOWLPはパッケージ面積が半導体チップ面積より大きく、チップの外側まで端子を広げること(fan out)ができる。チップ面積と比べて端子数が多い用途でも採用できる。
FOWLPの大きな特徴の1つは、半導体チップとパッケージ基板をはんだバンプでつないだ「フリップチップBGA」と比べて、薄型にできることである。FOWLPではパッケージ基板が不要になるからだ(図1)。Apple社が目を付けたのも薄型化を狙ったためと考えられる。