【市場】2025年までに中国へ50車種を投入、Ford社が戦略強化

[画像のクリックで拡大表示]

 米Ford Motor社は2017年12月5日、中国事業の拡大戦略について概要を発表した。世界最大の市場である中国において、SUV、電動車、コネクティッドカーの投入、ビジネス構造の合理化、顧客との緊密な関係構築に注力するという。

 2025年までに50車種以上のFordおよびLincolnモデルを投入する。そのうち少なくとも8車種は新型SUVとなり、15車種は電動車になる予定。そのほか、衆泰汽車との合弁会社が、規制当局の承認を待って新しいブランドから手頃な価格の電気自動車(EV)を発売する。

 2019年末までに発売するFordモデルとLincolnモデルの新車は、モデムを内蔵するか、もしくは後付けデバイスを用いてコネクティッド機能を利用できるようになる。将来的に様々なモビリティーサービスを受けられるように、幅広いインフラの整備に取り組む考えだ。

 また、Ford社は2017年初めに締結した合意に基づき、百度の自動運転開発コンソーシアム「アポロ計画」に参加。Ford社はロボット工学と人工知能研究を支援し、中国市場での自動運転車の普及で重要なプラットフォームの開発に携わる。 (櫛谷さえ子)

【技術】Renault-日産・三菱ら、Daimler社と新エンジンを共同開発

[画像のクリックで拡大表示]

 フランスRenault社は2017年12月7日、Renault-日産・三菱アライアンスとドイツDaimler社が共同開発した新しい直噴ターボガソリンエンジンを発表した。エンジン回転数が低い状態でのトルクを向上し、高回転時のトルクも高くした。また、燃料消費量とCO2排出量を低減した。

 「Energy TCe 115」「同140」「同160」の3種類のエンジンは、すでに受注を開始している新型「Scenic」と「Grand Scenic」に搭載する。2018年以降、他のRenaultモデルにも採用を拡大する予定だ。

 新エンジンは、MT(手動変速機)もしくはDCT(Dual Clatch Transmission)の「EDC」と組み合わせる。日産自動車が「GT-R」のエンジンにも使ったミラーボアコーティング技術により摩擦を減らし、熱伝導を高めることで効率を改善した。インジェクションの噴射圧は25MPaまで引き上げられ、混合気を最適化するためチャンバーの設計を変更している。

 TCe 160の最大トルクは、MTとの組み合わせで260N・m/1750rpm、EDCとの組み合わせで270N・m/1800rpm。最高出力は120kW/5500rpm。TCe 140は、最大トルクが240N・m/1600rpmだ。 (櫛谷さえ子)