製造業/ハイテク産業に携わる技術者・研究者の方々に向けた総合情報サイト「日経テクノロジーオンライン」の記事からピックアップして掲載しています。記事の情報は掲載時のものです。

【技術】JLRグループ、2020年から全モデルを電動車両へ

 英Jaguar Land Rover(JLR)グループは2017年9月7日、同社が開催するイベント「Tech Fest 2017」で、2020年から販売する全モデルを電動車両にすると発表した。電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)、マイルドハイブリッド車(HEV)が含まれる。同社初のEVとなる「Jaguar I-PACE」は、2018年に発売する予定だ。

 同展示会では、未来のモビリティーに関する講演やバーチャルコンセプトの発表などがあった。同グループは、将来的には自動運転(Autonomous)と接続(Connected)、電動化(Electric)、共有(Shared)が進んだクルマ社会になると考えている。しかし、こうした社会になっても運転を楽しみたい人はいる。そのため「インテリジェントで接続性の高いステアリングホイール」という概念を考えた。

 未来社会に合わせたコンセプト車が「FUTURE-TYPE」である。2040年以降のモビリティーを探求した。同コンセプト車は、「2+1」のセミタンデムシートを備えた細長いボディーで、都市部で運転や駐車がしやすい形状という。渋滞時や信号の多い市街地などでは完全自動運転、郊外や高速道路などではステアリングを装着してドライバーは運転を楽しめる。 (櫛谷さえ子)

【新車】Audi「Q5」を全面改良、60kg軽量化で11%燃費向上

 ドイツAudi社の日本法人は2017年9月20日、SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)の主力モデル「Q5」を8年ぶりに全面改良したと発表した。同年10月2日から日本で販売を始める。

 先代モデルに比べて約60kg軽量化。JC08モード燃費を11%向上させて13.9km/Lとした。価格は657万円(税込み)からで、2018年に3000台の販売を目指す。高排気量エンジンを搭載して出力を上げた高性能モデル「SQ5」も用意する。

 車両全体の約60kgという軽量化のうち、1/3にあたる約20kgがホワイトボディーの刷新によるもの。アルミニウム(Al)合金の使用比率を増やしたことが大きく貢献している。

 フロント・クロス・メンバーに押し出し成形のAl合金を採用した他、インストルメントパネル(インパネ)下のモジュール・クロス・メンバーにもAlシート材とAl合金を組み合わせて適用した。ボンネットやテールゲートにもAl合金を使用している。

 フロント・サスペンション・トップの周辺部品には、一体成形のアルミ鋳造材を採用。四つの鋼材部品を組み合わせていた先代モデルに比べ、部品点数を減らして軽くできた。 (窪野 薫)