センサーコストの上昇を抑えながら2020年以降に、SAE(米自動車技術会)が定める「レベル3」の自動運転の実現を目指す──。日立オートモティブシステムズが十勝テストコースで2017年11月に開いた技術試乗会で、こうした同社の戦略が見えてきた。その取り組みの具体例として自動バレー駐車や、緊急時に自動停止するデモを見せた。
同社が技術試乗会で公開した実験車は、日産自動車「フーガ」のハイブリッド車(HEV)をベースに開発したものである。センサーの構成を見ると、フロントウインドー上部の室内側に、ステレオカメラを搭載した(図1)。
フロントグリルの中央には長距離レーダーを1個、フロントバンパーとリアバンパーには合計4個の中距離レーダーを搭載した(図2)。左右のドアミラーと前後バンパーには、合計4個の単眼カメラを取り付けた。ドアミラーには、電子ミラー用の単眼カメラも付いている(図3)。これらのセンサーで、車両の全周囲を監視する。