2017年10月に開幕した「第45回東京モーターショー」。ドイツ勢と中国勢が電気自動車(EV)の開発に邁進し始めた中、EVに距離を置く日本メーカーの対応に注目が集まった。出遅れ気味のトヨタ自動車はEV戦略の転換を示唆。ホンダは新しいEVを発表したが、迷いを感じる。一方で海外自動車メーカーの受注を増やしたい部品メーカーは、“EVシフト”を本格化し始めた。

 「EVが近い将来に重要な解の一つとなることは疑う余地がない」(トヨタ自動車副社長のDidier Leroy氏)──。

 かねて次世代電動車の本命はプラグインハイブリッド車(PHEV)と主張し、EVの開発に距離を置いてきたトヨタ。副社長のLeroy氏は、従来の考えを転換する方針を示唆した(図1)。

図1 トヨタがEV開発で巻き返し策を披露
図1 トヨタがEV開発で巻き返し策を披露
同社副社長のDidier Leroy氏は、「燃料電池車への取り組みは後退しない」とも強調する。(写真:宮原一郎)
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