神戸製鋼所の品質データ偽装が、2017年10月に相次いで発覚した。アルミニウム(Al)合金や銅(Cu)合金、鉄鋼製品などの品質データを改ざん・捏造(ねつぞう)していた。出荷先は500社を超える。同社の素材メーカーとしての信頼は大きく損なわれた(図)。

図 2017年10月26日の会見に出席した神戸製鋼所会長兼社長の川崎博也氏
図 2017年10月26日の会見に出席した神戸製鋼所会長兼社長の川崎博也氏
[画像のクリックで拡大表示]

 データ偽装の全容解明に向けて神戸製鋼は10月26日に、安全性の検証結果を発表した。2016年9月~17年8月に出荷した製品が対象で、データを偽装した製品を出荷した525社のうち、約83%の437社で一定の安全性が確認されたという。

 同社は安全性の検証結果を、三つに分けた。(1)出荷先の顧客が安全性に問題がないと確認したもの、(2)出荷先の顧客が当面の問題はないと判断したもの、(3)神戸製鋼自身が安全性の確度が高いと判断したものだ(表1)。

表1 神戸製鋼による安全性の検証結果(10月26日発表)
2016年9月〜17年8月に出荷した製品の検証結果を三つに分けて発表した。自動車に関連しないと判明したものは灰色で示した。
表1 神戸製鋼による安全性の検証結果(10月26日発表)
[画像のクリックで拡大表示]

 2016年9月~17年8月に出荷した製品の検証結果を三つに分けて発表した。自動車に関連しないと判明したものは灰色で示した。

 安全性が確認されたとする437社のうち、出荷先が確認した一つ目のケースは229社、出荷先が当面の問題はないと判断した二つ目のケースは91社である。神戸製鋼自身が「安全」とした三つめ目ケースは117社に上る。