ドイツVolkswagen(VW)社が電動化への歩みを着実に進めている。2015年6月にはVolkswagenグループの将来戦略「ストラテジー2025」で、2025年には生産台数の25%にあたる300万台の電気自動車(EV)を生産すると発表。さらに9月に開かれたパリモーターショーでは、電動車のコンセプトカー「I.D.」を明らかにした(図1)。

図1 電動車のコンセプトカー「I.D.」
図1 電動車のコンセプトカー「I.D.」
最大で600kmの航続距離を持つ。
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 6月に発表したストラテジー2025では現在12あるプラットフォームを4種類に集約し、2021年までに自動運転の技術を市販車に積むことを公表している。

 一方、パリモーターショーで発表したI.D.は同社が1月の「CES 2016」で発表したEV専用プラットフォーム「MEB(Modular Electric Drive Kit)」を採用したことが特徴。床下に電池を敷き詰めることで最低でも400kmのEV走行が可能で、最大600kmまで走行距離の延長ができる目算だ(詳細は特集「2020年の主役はEVかPHEVか」参照)。

 同時に発表した第2世代の「e-ゴルフ」は「MQB(横置きエンジン用モジュールマトリックス) evo」という既存プラットフォームの改良版を採用するのに対し、MEBは新設となる。ただし、MQBと同じ生産ラインで作れるように工夫した。