マツダは2017年6月末、小型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「CX-3」の2.0Lガソリン車のモード燃費として、次世代のWLTC(世界統一試験サイクル)モード燃費を公開した(図1、2)。WLTCモード燃費は、2018年10月以降に国内で発売する新型車で表示が義務化される。
現行のJC08より燃費は悪化するが、同社は実燃費重視の開発をしているため、他社と比べて開きは少ないとする。CX-3の新しいモード燃費は、従来のJC08モードの17.0km/Lと比べて約6%低い、16.0km/Lとなった。
内訳として、低速フェーズのL(Low)は12.2km/L。高速道路をほとんど使わない市街地だけのユーザーであれば、Lが現実に近い。一方、中速フェーズのM(Mid)と高速フェーズのH(High)ではそれぞれ16.8km/L、18.0km/L。JC08モードとの差は少なくできた。
マツダによるとWLTCモード燃費の数値は、ユーザーの実用燃費と、従来のカタログ燃費であるJC08モード燃費の、ほぼ中間に位置するという。さらにWLTCモードの燃費は、JC08モードと比べれば当然低下するがその割合は他社より低いという。
それはマツダがエンジンなどパワートレーンの革新的技術を開発すると同時に、実燃費重視の仕様決定、および開発テストを行ってきたからだ。
実燃費重視の開発とは、内燃機関や変速機などの損失を低減させるだけの取り組みとは異なる。道路の勾配や高度、外気温や天候などの環境要因による燃費の変動を抑え、さらに実際の走行での加減速の大きさや走行速度、空調や車重などの使い方要因についても燃費の変動を最小化することで実用燃費を改善しているのだ。